医療とグレイ

日記
03 /02 2012
少しデリケートな部分ですが、思いがあって書きます。

医療は病院、それ以外は症状があって痛くても、素人の民間のサービス。
薬と手術は医療、それ以外は、素人の民間のサービス。
私の基礎である理学療法は、海外では医療で、日本では「医療補助」のような感じです。
海外の多くの国で、理学療法士には開業権があります。
整形外科などで診察、診断をして、外科的な問題は無いが機能障害はある、または術後の後療法が必要な場合、理学療法のクリニックに依頼をします。
もちろん理学療法も医療ですから保険の適応ですね。

日本では、まず整形外科のクリニックで外科的な問題が無ければ医療から除外されます。
まぁ湿布と痛み止めは出ますが、ほぼ除外です。
もう少し医師の意図を汲むと、「自然治癒」または「増悪までの経過観察」をします。

そして、除外された患者は民間療法に助けを求めます。
鍼灸、マッサージ、ストレッチ、整体、ヨーガ、ピラティス、、、。

国家資格場合は勉強している人もいますが、国家資格も無くちょっとHow toを伝授されただけで、直接人の体を触るサービス業が沢山あります。
美容、リラクゼーション目的ならまだしも、機能改善、症状軽減をうたっている所もあります。

お客さんは、何が本当に信頼できるか全く分かりません。
ちょっとスポーツでいい成績を収めたら信頼できる。
TVにでてたから信頼できる。
雑誌で読んだから信頼できる。
目立てば信頼になるのが日本です。

物事を冷静に、理性的に考えられない国民が多い。
流行のように健康を考えている。
ダイエットブームと、健康、症状改善などは全く違うものですが、それが分からない。
ダイエットで売れてた人が、さも自信ありげにこの症状の改善にも効果がありますといってしまう。
知らぬが仏ですね。

これが、日本の現状です。

医療の功績は素晴らしいものです。
疫病がワクチンなどでなくなり、検診や救急医療が発達して救命率は高くなり、一般の健康関係の知識も諸外国に比べれば高いと思います。
塩の取り過ぎは高血圧を招くとか、免疫はビタミンCが重要とか、、、。
お産に関してもここまで救急対応が可能な国も少ないでしょう。
このように、医療の貢献は、間違いなく素晴らしいものです。

しかし、予防的な観点からは、結局大事になるまでは、民間療法しか無いのです。
素晴らしい医療は受けられないのです。

でも、理学療法は医療でありながら、予防医学の実践も出来るのです。
だから海外では、開業権もあり、医療として国民が当然受けることが出来る。
でも日本では、受けることすら出来ない。

だから私は独立しました。
誰もこの矛盾に、不合理性に対して声を上げないから。

理学療法士は、法律上、理学療法を医師の医療補助として使うよう明記されてます。
ですから病院の中だけということです。
海外のように、院外処方的なことは出来ない。
政治的に。

民間療法を見ていて、何でこんなことがまかり通るのかという思いがとても多く湧いてきます。
身内も、マッサージで血管炎になったことがあります。
医療事故も勿論人間のすることですからゼロではないけど、科学的な思考で、根拠を持って対応している分、民間よりは圧倒的に少ないです。

グレイな部分があることは否めないし、美容やリラクゼーションは必要です。
でも医療的な視点のものを、民間が行っていることに違和感を感じます。
高い医療の質をなぜ、病院外で提供できないのか。
このシステムに憤りを感じます。

私も、理学療法士として理学療法を銘打っての治療の提供は出来ません。
ですから、わざわざヨガとピラティスなのです。
私は、理学療法のベースを持っていますし、誇りに思っています。
医療・介護分野での臨床13年間も誇りに思っています。
そして科学的な思考、かつノーマライゼーションやQOLなどのリハビリテーション理念を信念としています。

可能な限り、ヨガとピラティスも科学的な解釈を心がけています。
長々となってしまっていますが、、、
私が言いたいのは、「医療としての理学療法を開放しろ」ということ。
国にとって、我々にとってこの損失は計り知れないということ。
介護保険では、訪問看護やデイサービスなどで理学療法が比較的気軽に提供されてきているのでこの分野の自由度は高いですが、予防医学適応の40~60代。もっといえばそれ以前の世代に対しては全く医療の選択肢はありません。
選択肢は、民間療法しか無いからです。
医療の定義をもう一度真剣に考えた方がいい。
何でもかんでも老化にしない。
画像で所見が無くても、症状から可能性を科学的に推測して欲しい。
専門家にしっかり依頼して欲しい。
診断名がついたら医療というのは、保険上の話。
確かに事実だけど、王道じゃない。
医療費の削減は、医療の適応を減らすことじゃない。
医療の適切な配分のことだと思う。
高額検査じゃなくて、予防に医療費を割くべき。

何が、医療の本質で、何が人の幸せなのか。
病気になってから、病気を治すことが幸せなのか?
病気にならないように、人の幸せを高めることではないのか?
病気になってからの対応は、最終手段ではないか?

医師もこの点を本気で考えて欲しい。
患者を持つ家族も本気で考えて欲しい。
医療者も本気で考えて欲しい。
いずれ病気になる政治家も本気で考えて欲しい。

理学療法士の業界も、もっと責任感が必要。
自分たちの活躍の場はどこなのか。
社会貢献はどうあるべきなのか。
海外の常識と、日本の常識の差はなんなのか。
どういう方向へ行くことが、国の幸せに寄与するのか。

またも徒然に書いてしまいました。
ほどほどの参考にして下さい、、、。
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コメント

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突然すみません。コメントは初めてですが、いつも楽しく拝読させていただいています。

久しぶりにブログを読ませて頂いたら、私が今まで感じて疑問や不満に思って来た事がより具体的に、現状も踏まえた事をおっしゃっていて、驚きました。

私は、今は理学療法学科の大学1
年で、まだアバウトにしかPTの事が分からないのですが、やはり予防医学にも貢献できる分野ですよね!
この記事のお陰で、今まで悩んできた「将来やりたい事」が少し見えて来ました。

やっぱり、日本での理学療法の位置は変革の必要がある。それが再確認できました!まずはPTになる事が先ですが…

いきなりこんなコメすみません。「は?」って感じだとは思いますが、一応感謝の気持ちをお伝えしたかったので。汗
ありがとうございました。


Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
僕も試行錯誤です。
でもきっとPTはもっと社会貢献できると思います。
資格を取られた時には、その活躍の場を準備できるように僕も頑張りますね。

こんにちわ

中村さん、初めまして。突然のメールで失礼いたします。

『ヨガの解剖学』を読ませていただきました。それぞれのポーズについて、大変わかりやすい説明で勉強になりました。

私はOTの資格を持ちながら、地域の公民館でヨガインストラクターをしています。正直、医療での仕事に物足りなさを感じているところです。医療制度の枠の中で、患者さんの為の医療を果たして提供できているのか、医療の中ではできないこともいろいろあり、葛藤もあります。数年の間に、OTとしての仕事から離れて、ヨガインストラクターをライフワークとして考えています。

そのための準備を今から始めたいのですが、何かアドバイスいただけることがありましたら教えてください。

中村尚人

医療とボディーワークの融合を試みていきます。
自分の身体の声に耳を傾け、対話をしましょう。

~資格~
Yogaインストラクター
Pilatesインストラクター
理学療法士
シュロス®セラピスト
介護支援専門員
福祉住環境コーディネーター2級

~所属~
日本理学療法士協会
日本人類学会

~雑誌~
「ヨガジャーナル」
「ヨギーニ」
「日経ヘルス」
「からだにいいこと」
「NEXT」
「秘伝」etc

~出版物~
「ヨガの生理学」
「ヨガの解剖学」etc